クワガタに成熟期間なんてなかった?後食から3カ月や半年待つのは無意味な行為だった?

クワガタやカブトムシに成熟期間は存在するのか?

クワガタやカブトムシには、「成熟期間」なるものがあるとされています。
「成熟期間」とは、羽化して日がたっておらず、まだ生殖活動ができない期間のことです。
成虫が羽化してエサを食べ始めても、この「成熟期間」が終わるまで、交尾させることはできないとされています。

成熟期間は種類によってまちまちですが、パプキンなどの短いもので1カ月、ニジイロクワガタやタランドゥスなどで
3カ月から半年程度、国産オオクワガタなど、完全に成熟しきるまでに半年以上かかるものもあるとされています。

成熟期間を守ることは、繁殖をする上で非常に重要だとされています。
エサを食べ始めても、まだ成熟しきっていない個体をペアリングすると、様々な弊害があるとされています。
オスがメスを殺してしまう可能性が増えるばかりか、最悪メスが無精卵ばかり産むようになり、繁殖不能になってしまうこともあるようです。

そのため、この成熟期間が終わるまで、成虫をずっと寝かせておくブリーダーも数多いです。実際、夏に羽化したオオクワガタのメスを冬眠させ、来年の春がくるまでずっと寝かせておく人も多いです。(というか、このスタイルが現在では多数派のようです)

しかし、この成熟期間を待っているのは苦痛です。成虫を羽化させたら、すぐにでもペアリングさせたいのが人の性ではないでしょうか?

私は、生来気が短いのも相まって、この成熟期間の存在をずっと怪しんできました。クワガタやカブトムシは、ほとんどが10センチにも満たない小さな虫ですし、寿命も短いです。そんなに小さな虫が、何カ月も待たなければ成熟できないという事実は、にわかに受け入れられません。

それに、成虫になったということは大人になったというです。餌を食べ始めたら、もう交尾できるのが普通ではないでしょうか?

果たして、本当に成熟期間は存在するのでしょうか?

成熟期間なんて本当はなかった?

私は成熟期間について丹念に調べ上げました。ネットの情報を漁るだけでなく、ショップの人に質問したり、何より自分でも飼育個体による実験を繰り返しました。その結果、ほとんどのクワガタとカブトムシでは、成熟期間なるものは存在しないとの結論に至りました。
その理由を説明します。

もし成熟期間が存在するのなら、とっくにクワガタは絶滅している

まず、「成熟期間」の存在は、昆虫の生態上、非常に不合理だと思います。後食が始まって、野外で活動しているのにも関わらず、生殖活動ができない意味が私にはわかりません。

自然界はコバエシャッターの中とは違い、とてつもなくシビアです。もし仮に、オオクワガタに半年の成熟期間が存在するとしましょう。すると、オオクワは子孫が残せるようになる半年後まで、ずっと外敵に襲われないように身を守り続けなければいけません。

カブトムシやクワガタの外敵は多いです。カラスなどの鳥や、猿やネズミなどの小動物、そして我々人間というように、あらゆる敵が虎視眈々と彼らの命を狙っています。

ですから、せっかく成虫になることができても、半年以上生存できる個体はとても少ないと思われます。そのため、メスとオスが出会ったら、すぐに交尾をして子孫を残す必要があるのです。

でなければ、オオクワガタはとっくの昔に生存競争に敗れ、何千年も前に絶滅していると思います。少なくとも、ダーウィンの進化論的に考えて、「成熟期間」が長い個体は淘汰され、次第に羽化と同時に成熟する個体だけが反映するようになるでしょう。

それに、野外で採集されたワイルド個体は、ほとんどが交尾済みであり、ペアリングしなくても卵を産みます。また、どのような種類でも、野外で活動している個体=交尾済みという図式は成立するため、この説を裏付ける好例であると思います。

つまり、羽化後1カ月であろうが半年後であろうが、後食があり、活動を始めてさえいれば、同時に成熟していると考えるのが自然な考えなのです。

成熟ではなく、「休眠期間」

クワガタやカブトムシに、エサを食べ始めて活動しているにも関わらず、生殖能力を持たない
「成熟期間」はありません。

では、羽化して体が固まったらすぐにペアリングさせてもいいのかというと、そうではありません。国産カブトのように、羽化して1週間程度ですぐに活動を始める種類もいる一方、羽化後しばらく蛹室でじっとしている種類も多いです。

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この期間は「休眠期間」と呼ばれ、その間、成虫はただ何もせずにじっとしています。

休眠期間が存在する種類で代表的なものがノコギリクワガタです。ノコギリは通常、夏に羽化しますが、来年の夏まで蛹室に引きこもり、ずっと休眠し続けます。

休眠期間中に無理やり蛹室から出しても、ほとんど餌を食べず、もちろんペアリングもしません。さらに、休眠中に掘り起こすと、そのまま弱って死んでしまうこともあるため、かなり気を使います。

休眠期間の代表例としてノコギリクワガタを出しましたが、実はほとんどの種類には、多少なりとも休眠期間があります。しかも、休眠期間の長さは個体差があり、1カ月程度で終わる個体もいれば、半年以上寝ている個体もいます。

さすがにオオクワガタなどの種類では、無理やり掘り出しても死ぬことはありませんが、ほとんど餌を食べず、ひたすらケースの中でじっとしているだけです。ペアリングしても当然上手くいかない(というか、それ以前に交尾しない)ため、目が覚めるまで待ち続けるしかないのです。

全ての元凶は蛹室から掘り出してしまうせい

長い間、「成熟期間」なるものが存在すると思われていたのは、この休眠期間のせいです。
クワガタやカブトムシは、飼育下では自力で蛹室から出てくることは少ないです。

ほとんどの場合、人間の手で掘り出されますし、人工蛹室で羽化することもあります。そのため、いつまで休眠期間が終わって、いつから活動を始めるという境目が不明瞭なのです。

成熟期間について誰かに質問すると、人によって答えが大きく違うのもこのためです。
先述の通り、休眠期間には個体差があります。掘り出したのはいいものの、いつ活動するか分からないため、成熟期間などという単語が誕生したのです。

たしかに、オオクワガタなどの場合、越冬してから活動を始める個体もいるため、なかなか活動を始めない場合もあります。

しかし、ほとんどの場合、羽化の後2ヶ月もすれば餌を食べ始め、ケース内を動き回っていることがほとんどではないでしょうか?

そのタイミングでなら、ペアリングさせても大抵はうまくいくことがほとんどです。無精卵を産んだり、一生卵を産まなくなるといった弊害もありません。

後食後、成熟を待っているのは間違い

ですから、羽化後に休眠から覚め、エサを食べ始めて活動を始めていれば、ほぼすべての種類において交配が可能だという事になります。
そのため、後食を始めているにも関わらず、何カ月も待っているのは寿命をいたずらに浪費しているだけで、無意味な行為です。
オオクワガタなど長寿な種類ならまだしも、短命な種類ではかなりもったいない時間です。

産卵の体力作りに、エサを食べさせる期間を設けるのは構いませんが、それを加味しても1週間程度でペアリングさせても大丈夫だと思います。

ただ、気をつけなければいけないのが、エサをかじっているからといって、休眠期間が終わったわけではありません。
クワガタやカブトムシは、活動を始めると、かなり素早く動き回ります。また、すぐにゼリーが無くなるほど、食欲も旺盛です。
ですから、どこか動きが鈍かったり、ゼリーの食いが悪いと、ペアリングしない恐れがあるため、そこだけは注意しましょう。

この見極めさえうまくできるようになれば、後食してから何カ月もじっと待ち続けていることはありません。

成熟期間はないが、休眠期間だけは注意しよう!

クワガタやカブトムシは、基本的に餌を食べ始めたら、交尾させても問題ありません。
しかし、なかなか休眠期間が終わらない個体もいるため、注意が必要です。
特に、オオクワガタの場合は冬越しさせないと休眠状態が解けない場合もあるため、
最低でも元気に活動を始めるまでは待つことが肝心です。

ただ、基本的にどの種類も、エサをたくさん食べ、元気に動いていれば、その時点でペアリングできると考えていいと思います。
これは、私も感じていることですし、いろいろなブリーダーから直接聞いたことなので間違いないです。
成熟期間という既存の概念にとらわれず、常識を疑ってみると、思わぬ発見があるのですね。

作者:青梅コウ

このブログの監修者

木林 充尚

1980年静岡県生まれ。浜松医科大学卒業後、美容整形外科を中心に、様々な医療現場を渡り歩く。医師時代に培った経験を活かし、医療脱毛、育毛、ダイエット、スキンケアなどの記事監修を手掛ける。現日本医療脱毛安全医科学会理事、発毛先端医療研究会副会長、日本肥満健康医学会名誉会員など。様々な分野で日々研鑽を欠かさない姿は医師の鑑そのものである。



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