オオクワガタのギネス個体は交雑?90mmのオオクワは純血なのか?

オオクワガタのギネスは本当に純血なのか?


2017年10月、オオクワガタのギネスがまた更新されました。

クワガタとカブトムシの専門雑誌、
「ビークワ」第65号で発表されたのは、なんと90.5ミリという超巨大オオクワガタでした。

これにより、前回記録の90.1ミリを0.4ミリ上回る、新しい記録が打ち立てられました。一昔前、80ミリのオオクワガタは黒いダイヤともてはやされ、1000万円の値段で取引されたことがありましたが、現在ではついに90ミリ台後半の世界へと突入したのです。

オオクワガタのギネスは、ここ近年、毎回更新されています。

ですが、毎年更新されるたびに囁かれるのが「ギネス個体は交雑ではないか」という疑惑です。たしかに、80ミリ台後半のオオクワガタの迫力はすさまじく、もはや別の虫といっても過言ではありません。

そこから、本当は純粋なオオクワガタではなく、グランディスなどの他の品種と掛け合わせた
「雑種」なのではないかとの声も多いのです。

ギネス個体の交雑が疑われる理由

80ミリ後半から90ミリ台という、超大型オオクワガタに交雑疑惑がささやかれる理由を紹介します。

理由①更新スピードが速すぎる

まず、ギネスの更新スピードが非常に速いことが挙げられます。
特に、ここ近年のオオクワガタの大型化のスピードはすさまじく速いです。

2000年に80ミリのオオクワガタが発表されて以来、2016年に90ミリに到達するのにかかった年月は、たったの17年です。これは、他の種類と比較するととてつもなく速いスピードです。

ビークワのギネスはオオクワガタだけでなく、あらゆるクワガタの種類が対象です。もちろん、ここまで頻繁にギネスが更新される種類は他にありません。果たして、大型血統同士の累代飼育だけで、ここまで短期間で記録を更新し続けられるかどうかは一考の余地があるでしょう。

理由②90ミリのオオクワは自然界に存在しない

90ミリのオオクワガタが、自然界に存在する可能性は間違いなく0です。
オオクワガタの野外ギネス(野生で捕獲した成虫の最大記録)は、76ミリです。

オオクワガタの野外ギネスは、飼育ギネスと違ってもう何十年も更新されていませんし、現在では激しく乱獲されているため、これから更新されることはないでしょう。

それなのに、オオクワガタの飼育ギネスは90ミリと、14ミリも上回っています。これほど飼育個体と野生の大きさが激しく乖離している種類はほとんどいません。

現に、ビークワの公式サイトで、野外ギネスと飼育ギネスの一覧表が閲覧できますが、オオクワガタのように、飼育ギネスが野生を大きく上回っている種類はほとんどありません。それどころか、飼育ギネスが野生を一ミリでも上回っている種類ですらあまりみかけません。

それだけ、人工的な環境でクワガタを大きく育てるのは難しいのです。しかし、オオクワガタだけは別だったようです。

理由③ホペイやタイワンオオよりもずっと大きい

90ミリの大台に到達したことによって、日本産オオクワガタは、世界で3番目に大きなオオクワガタの種類になってしまいました。

日本産オオクワガタより大きい種類は、最早グランディス(95ミリ)とアンタエウス(93ミリ)の2種類を残すのみとなっています。しかも、これらは最大亜種の大きさであり、インドアンテやラオスグランディスなどのギネスは、なんと日本産オオクワガタよりも小さいです。

もちろんグランやアンテと比較してもこのありさまですから、ホペイやタイワンオオなどはもっと小さいです。

特にホペイは中国に生息しており、日本産オオクワガタと学名が同じです(日本産オオクワガタは、ホペイの亜種に分類されます)つまり、ホペイと日本のオオクワガタはほぼ同じ種類なのです。

しかし、ホペイのギネスは2016年の記録で83.3ミリと、日本産よりもずっと小さいです。ホペイは一時期、かなりの人気があったこともあり、今でもたくさんの個体が飼育されています。

それなのに、ホペイのギネスは80ミリ台前半で停滞しており、全く大型個体が羽化する気配がありません。さらに、ホペイの野外ギネスは78ミリと、国産オオクワよりも大きいです。

一方、国産オオクワは野外ギネスが76ミリなのにも関わらず、飼育ギネスは毎年更新され続け、ついに90ミリを突破してしまいました。

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確か、2000年代前半はホペイと国産オオクワの大きさはほとんど同じだったと思います。
それなのに、なぜか国産オオクワだけがどんどん大きくなり続けているのです。

その理由は、国産オオクワの方が、飼育個体数が圧倒的に多いからと言ってしまえばそれまでですが、それだけでは納得できない何かを感じます。

専門家に尋ねると…

私は、ここ数年の超大型個体に関して、上記の疑問をずっと感じていました。
私が子供の頃、80ミリのオオクワガタは幻の存在でした。それが今や、専門店や大きめのペットショップに行けば80ミリオーバーが数万円で売られている時代です。

私は、当時のオオクワガタと今のオオクワガタがどうしても同じ種類の虫に思えず、ずっと腑に落ちませんでした。ですから、ほんどうにこれらの超大型個体が交雑していないのか、いつか確かめたいと思っていました。

そこで、あるクワガタ専門店の店長と話をする機会があったので、質問してみることにしました。激怒されたらどうしようかと不安でしたが、単刀直入に、超大型個体は交雑ではないか質問しました。

交雑の可能性は非常に低い

結論から書くと、交雑の可能性は非常に低いとのことでした。
近年のオオクワガタが大型化する原因は、ひとえに品種改良によるものだそうです。
品種改良とはつまり、「大型血統」のことを指します。大型の親同士を掛け合わ続けると、
より大きな子孫が産まれるという原理を利用しています。

また、クワガタは、大きさだけでなく、顎の形や体のバランスなど、あらゆる形質が遺伝します。そのため、アゴが外国産のように太いクワガタや、顎の比率が高く、お腹の面積が小さい、とても美形なクワガタなど、細かな改良が可能だそうです。

私も実際にいろいろな特徴を持った血統のクワガタを見せてもらいましたが、とても同じ種類の昆虫だとは思えないほどの差異がありました。たしかに、金魚や犬などでも、形の変わった親同士を掛け合わせて多彩な品種を作出しています。

ランチュウや流金などの丸い金魚も、もともとはただの赤いフナですし、マルチーズやブルドッグなどの犬も、元々はただのオオカミです。それらのオオカミや赤いフナを何百年も交配し続けることで、今の金魚や犬が完成したのです。これと同じことをオオクワガタにも行うことで、超大型個体が産まれているのです。

このように、親同士を厳選するだけでも、大型の個体を作ることは十分に可能だそうです。
さらに、近年、クワガタの飼育技術も大幅に発達しています。現に、市販の菌糸ビンのほとんどは、国産オオクワを対象に設計されています。

オオクワガタだけギネスが頻繁に更新され、他の虫のギネスがほとんど更新されない理由はここにあるのかもしれません。国産オオクワに最適な餌でも、他の品種にとって最適であるとは限りません。そのため、ホペイやタイワンオオクワはいつまでたっても85ミリの壁を抜け出せないでいるのかもしれません。

白黒つけるなら、DNA鑑定するしかない

しかし、私がお話を伺った専門店の店長は、こうも言っていました。
大型血統が誕生して間もないころに、交雑が行われた可能性は100%否定できず、もしかしたらグランディスなどの血が混じっているかもしれないそうです。

たしかに、大型血統が世に出回る前、一部のマニアによって維持されていたころに、
密かに交雑を行っていても、誰も確認することができません。そこまでさかのぼって確かめることはできないため、結局疑惑は疑惑でしかないそうです。

やはり、白黒はっきりつけるなら、DNA鑑定するしかありません。しかし、DNAを鑑定するためには、高額の費用がかかります。そんなお金をかけてまでわざわざ確かめる人もいないため、真実は依然謎のままなのです。

100ミリのオオクワガタが誕生する日も近い?

とにかく、プロの目から見ても、交雑の可能性は低いということでした。
初期段階で他種の血が紛れ込んでいる可能性はなきにしもあらずですが、少なくとも頻繁に他種と交雑したり、あからさまな雑種の可能性(オオクワガタとグランディスのF1など)はなさそうです。

ですから、深いことは考えずに、90ミリのオオクワガタの誕生を素直に祝福する気持ちが大事なのです。それに、オオクワガタの大型化は加速し続け、どんどんギネスは更新され続けていくでしょう。

このままのペースでいけば、2034年には100ミリのオオクワガタが誕生します。その時まで、ビークワのギネスを見守り続けたいと思います。

作者:青梅コウ

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